SVX日記
2005-03-28(Mon) 紅くカワいいプロッタちゃんゲット!!
昨日から書いている「はるか昔に憧れていたカチャカチャカチャカチャとカワいいヤツ」とは、古代のPCであるX1C用のプロッタプリンタ「CZ-81P」なのでしたッ!! オイラの初PCは元祖X1のローズレッドだったので、それはもう懐かしく思い入れたっぷりの「この世で一番好きな色」に感激である。いつのまにやらX1の本体は実家で処分されてしまっていたのが悔まれる。
知らない人のため、このプリンタの特徴を簡単に説明しよう。プロッタプリンタとは、まだ一般のプリンタが今ほど強烈な解像度を持たなかった時代に活躍したプリンタで「マシンが実際にペンを動かすことで」用紙に図形や文字を描画するタイプのプリンタのことである。ナナメの線もギザギザにならないので、主に建築の設計図などの描画に使われていた。紙の大きさに対して自由度が高い構造なので、A0版などのバカでかい用紙を扱うことのできる機種も存在する。
プロッタプリンタには大きく分けてXYプロッタとXプロッタに分類される。XYプロッタは用紙を固定し、ペンを上下左右に動かして描画するものであり、Xプロッタとは「用紙を上下に動かしながら、ペンを左右に動かして描画するもの」である。文字で書くと伝わらないが、なにしろこれがカワいいったらないのだ。標準文字で「1秒間に5文字程度」という遅さながら「カチャカチャカチャカチャ」と機関銃のようにセワしい音を立てながらモノスゴく「ガンバっている」感じがチョーラブリーなのである。
当時、シャープはこのタイプのプリンタを多くの機種に供給していた。一番有名なMZ-700の本体に装着するMZ-1P01をはじめ、ポケコン用のCE-150、そしてこのX1C用のCZ-81PR(色違いのCZ-81PS)、珍しいところではセガのゲーム機SC-3000用のSP-400も明らかにOEMだ。これらは全て仕様も価格も同一で、定価4万弱である。当然、このプロッタが紅いからといって、コレだけ3倍速かったりはしない。絶対にしない。
早速、取り出して観察。意外と重い。当然ながら、本来母艦となるX1Cを持っていないので、一般的な利用はできない。とりあえず本体前面に貼ってあるラベルから、電源電圧5Vと最大消費電力4Wが判明。これはありがたい。これすらワカらないと、安心して電源すら供給できない。
しかしこのプロッタ、当時SHARPのパソコン専門誌のOh!MZにおいても、その存在すら取り上げられたコトがなかった気がする。X1Cの数ヵ月後に出た後継機種のX1Cs、X1Ckでは、プロッタの取り付け部分がI/Oポートに取って代わられていたが、I/Oポートが追加されたという紹介はあったものの、プロッタが取り付けられない事実は書かれてなかった気がするし……マコトに不憫なオプションじゃ。おじちゃんが救ってあげるからな。よしよし、いーこいーこ。
マニュアルを開いてみる。そんな扱いのオプションだから、BASICに専用コマンドが用意されているハズもなく「LPRINT CHR$(xx)」が羅列されたサンプルプログラムが掲載されている程度。んが、オイラのように単体で使おうって人間には、制御コード丸出しなんで圧倒的に助かるんだけどね……おぉーっと!! 接続コネクタのピンアサインまで載っていたぞ!! こりゃ、チョー助かるってもんだ。14pinの内訳は、単純に「STROBE + 8bit + BUSY + Vcc x 2 + GND x 2」であった。こりゃ、セントロニクス互換の単純なパラレルインタフェイスにほかならない。昨日の予測どおり「無駄に詳細な取扱説明書」が付いていて助かったよ。バラして信号を追うのも楽しいが、情報があるなら利用するに越したコトはないのだ。
ピンヘッダのメスのようなコネクタ形状だが、微妙に間隔が広いため、一般的なピンヘッダが刺さらない。しかし14pin全部は無理だが、6pin程度までは刺さる。電源側の4pinだけに刺して、5V1AのACアダプタの出力を供給……「カチカチカチカチ」おぉ!! 動き出したぞ!!
添付の水性ペンを取り出す。水性ペンには乾燥防止キャップが被っていたが、ペン先の周りには妙な析出物が固着していた。年代ものだから無理もない。ペンが書けるといいのだけれど……書けた!! ペンは水性ボールペンのようなタイプ。見事に4本ともインクが出た。これは素晴らしい。添付のロール紙を供給し、ペンをプリンタに取り付けて、マニュアルにあるテスト印刷動作を実行してみた。
懐かしい動きだ。これに憧れていたんだよなぁ……嬉しい。オイラのイニシエの記憶に比べると、だいぶ動作が速い気がする……(うるうる)……おうッ!! 少しインクがカスれぎみの部分はあるものの、ほぼ完全動作である。コレは使えますぞぉ!!
シリアルパラレル変換をPICマイコンで行うコトができるようになれば、例のFT232BMとUSBシリアル変換基板を用いて、USB機器として一般的なPCから利用することも可能だ。5Vで4Wだから最大800mAが必要で、USBのバスパワー動作にはかなりキツキツではあるが、デカいコンデンサでフォローしてやれば、なんとか動かないこともないだろう。バスパワーでUSBにつながった日にゃ、今後10年以上先までモバイルプリンタ(?)として活躍できるぜぇ!! さーて、ボチボチとインタフェイスの製作を始めましょうかねぇ。わっふー。
おぉ、すっかり忘れていた。昼の間ずっとソーラパネルと窓の脇に置いて充電しておいた、1.0Fのスーパーキャパシタの面倒も見なければならん。今日は忙しいなぁ。どれどれ、どの程度まで電圧が上がったかな……おぅ!! 2.3Vまで来ているではないかッ!! これならLEDを点灯できそうだ。(2.3V - 2.1V) / 0.01A = 20Ω というコトで、2つの10Ωの抵抗をLEDに直列につないでみた。
見事、光りましたわ!! クロノグラフで確認しながら、電圧変化をモニタしたところ、10秒あたり0.01V程度の割合で降下していく傾向が見られた。もっとサクッと空になるかとも思っていたので、意外とがんばる感じ。一度、回路を切り離すと、電圧が少し回復する傾向もみられた。これは化学変化を利用したコンデンサの特性なのかな? なんだかんだで軽く10分以上は光りそうな感じだ。2秒ごとにチカッと0.1秒光らせるようにすれば20倍は持つコトになるから、3時間は動作する計算になる。屋外ならばもっとシッカリ充電されるだろうから、24時間光らせることは十分可能なワケだ。ありがちな「車のナンチャッテ防犯装置」のLED点灯を実現できる寸法だ。