SVX日記

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2010-11-11(Thu) シャッフルのブルース

  先日3巻で面白さを再認識し、イキオイあまって「トランジスタティーセット」のドラマCDを購入してしまったのだが、あるいつもの朝、iPodShuffleに転送して、ニタニタしながら通勤していたところ、突然、登場人物たちが黙りこくってしまった。

  画像の説明

  突然、黙りこむようなシチュエーションだっけ? 無音なわけじゃない。iPodShuffleの巻き戻しボタンを押してみる……かなり戻しても、黙ってる。秋葉の喧噪の音だけが聴こえる……これ、もしかして、回路がおかしくなって「カラオケ状態」になっちゃったってヤツか? オイラのiPodShuffleは初代で、結構な年代モンだしなぁ。とうとう壊れたか。

  この「カラオケ状態」になる理論については、センターを打ち消す、くらいの認識で、煮詰めて考えたことがなかった。以前、カーオーディオのAUX入力端子で起きたことがあるのだが、ちゃんとプラグが挿さってないと起きるっぽい。ステレオミニプラグとジャックの3つの端子がズレると起きるのか? 机上でいろいろ考えてみた……うーむ、ズレても起きないよな。

  散々、考えていたら、パッとひらめいた。こうだ。

  <図>

  グランドの接地が解除されてしまっているのだ。こうすると、左右から同じ波形が出た場合、打ち消しあって消えてしまう。少しでもズレがあると、両チャンネルで同じ音がでる。なるほど、である。よくある「カラオケ化装置」の仕様が「入力はステレオ、出力はモノラル」という理由も納得がいく。

  おそらく、iPodShuffleの中のステレオミニジャックのグランドのハンダが剥がれたんだろう。これは困る。バラして直すか。

  しかしながら、見た目、ネジとかが一切存在せず、バラす手がかりが見あたらない。「iPod shuffle 分解」としてググってみる。お。手順書があった。どうにかなりそうか。

  とりあえず、裏の電源スイッチはサクッとハズれた。苦労しつつも、どうにかUSBのクチもハズれた。あとは、トコロテンのように基板を抜き出すようなのだが、これがうまくいかない。経験的に「これ以上の力を加えてはマズい」というレベルまでやっても、数ミリしか抜き出てこない。

  仕方ないから「これ以上の力を加えてはマズい」というレベルを超えた力を加えてみる……何度かやってると、もう数ミリ出てきた。んが、出口付近の「返し」のようなプラパーツが破損している。別に破損することに問題はないのだが、こういう「基本的にバラすことが不可能」という製品作りはどうなんだろうか。まぁ、アップル製品だし、そんなことよりデザイン優先、というポリシーであろうことは、想像に難くはないのだけれども。

  だが、そこから先に抜き出てこない。なんか、後ろのバッテリー確認ボタンが引っかかっているっぽい。こんなんどうせいっちゅーねん。手順書には「上向けてやれば出てくる」とあるだけなんだが……うーん、うーん……あ、出た。

  画像の説明

  ……なっ、なんか散ってます。オマケに、本体に付いていた黒いテープの裏にチップ部品が貼り付いてます。よ、予備部品? ……んなワケねーし……あ゛ー、電源が入らなくなってるッ!!

  ってか、要するに……

  「壊しちゃった」

  ……という状態ではないか。これは。

  トホホ。オイラは、英語の勉強用に、ZenStone娯楽のPodCast用に、iPodShuffleと、ヘッドフォンを差し替えることで聴き分けているのだが、困ったなぁ。最新のiPodShuffleでも買うか。

  しゃーない。ZenStoneのラジオ英会話を聴きながら帰ろう……って、あれ? 音が出ない……ももも、もしかして……

  「壊れているのはヘッドフォン側かよ」

  ……やっちまった……自ら健康なiPodShuffleに引導を渡してしまった。バカなことしたなぁ。「カラオケ化理論」に辿り着いたことで、問題部位の切り分けに錯誤を生じてしまった。そりゃ、ヘッドフォン側の断線でも起こりうるわなぁ。くそ。このPHILIPSのSHE9500。オマエは買って2年チョイしか経ってないだろうに。

  くそー、まぁ、いいや。「恐るべき事実!! 実はヘッドフォンとiPodShuffleが同時に故障していたッ!!」などという可能性もないわけじゃなし。そうだったとしておこう。それはそれとして、後継機をどうするか。

  そんなに金をかける気はない。ディスプレイはない方がいい。というのも、N810をプレーヤにしようと画策した際、メクラで操作できない機器は、歩きながら使うのに適さない、ということを悟ったから。となると、候補は最新のiPodShuffleか?

  ちゅーても、ちょっと高い。今回の判明したように「アップル製品は壊れたら修理不可能」という仕様も、今の気分では買う気を削ぐ。かといって、他の類似品はどうかというと、起動が遅いとか、いろいろと問題がありそう。起動の速度とか、早送りの仕様とか、いいだすと、満足できる製品にたどり着ける可能性は、限りなく低い。

  つーか、そもそも、超小型プレーヤふたつを、ヘッドフォンを差し替えて使っている環境に疑問を持つべきだ。プレイバックのポインタが複数持てれば、ふたつのプレーヤを持ち歩く必要なんてない。そういう条件に合致するプレーヤを買うしかない。つーか、あるわけない。となれば……

  「自作じゃ」

  調べると、VS1011Eという石なら秋月での扱いがあるようだ。データシートを見る限り、ひたすらSPIでmp3データを流し込めば、反対側につないだヘッドフォンから音が出てくるらしい。アンプやボリュームまで内蔵とは、出来すぎである。

  SDカードから、SPIでデータを読む処理は、自作する必要があるが、そこまで面倒を見てくれないトコロがちょうどいい。レジュームの仕様とか、フォルダの扱いとか、早送りの仕様とか、操作ボタンのアサインなど、イジりたいところには存分に手が届く。

  以前に、I2CのEEPROMを扱おうとして挫折したことがある、SPIのがワイヤの本数が多いだけ簡単そうだ。FATを扱うのはちょっと大変そうだが、なに、読むだけだ。どうにか16F819でいけるだろう。

  正月過ぎ頃まで、ちょっと勉学に励まねばならない都合があり、しばらく電子工作に手を出すのは控える予定だが、自作mp3プレイヤの完成まで「トランジスタティーセット」のドラマCDのつづきを聴くのは、お預けとしておこう。

  そうだ、ドラマCDを聴いている途中で起きた事故が、今回の自作mp3製作のキッカケなのだから、これは「半田すず」からの挑戦であるに違いない。なんだか、本来ならイヤホンの修理で済んだものを、自作mp3プレイヤの製作に、自らハードルを妙に上げてしまったような気もするが、そこは気にしない。よしゃ、すずちゃん。その挑戦、受けたぜッ!!

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