SVX日記
2004-10-19(Tue) 水晶に関する推奨値に関する考察
先日から悩んでいるFRISK「SHAKENS YOU UP!」のクロック回路であるが、どーにもちゃんと発振してくれない。仕方ないのでPIC MLにもヘルプをお願いしつつ、ウェブで水晶の情報をアサりにアサりまくってみる。すると、なかなか面白い情報が出てきた出てきた。
水晶振動子のメーカーページである。ここには、MHz帯の水晶はATカット水晶(円盤型)、32kHz近辺はXカット水晶(音叉型)が主流であるということや、水晶の負荷容量から脇のコンデンサC1, C2の容量を求める方法などの情報があった。
しかし、いろいろ調べてもサッパリ回答に結びつかないんで、とりあえず手元にあるモデムボード(化石)に付いている水晶を「目視確認」することにした。目視で確認してどうなるわけでもないが、確認するったらするのだ。おもしろければそれでいいのである。早速パーツを切り取って、上部をニッパでうりゃ。
コンビーフのカンを開ける要領で、中の水晶に傷をつけないように慎重に慎重に……ピョーン。はっ!! イキナリ手元から消えたぞ!! ……あーぁ、水晶の頭が欠けちゃったよ。とほほ。とはいえ、中身を確認することはできた。非常に薄い円盤状の水晶の表と裏に接点があり、各足に延びている。まさにこれがATカット水晶というヤツなのだな。ナルホドン。残念ながら破損後の写真しか撮れなかったが、むりやりレタッチしてうまく取り出せたような顔をしてみたりする。なははは。
今まで試していた32.768kHzの水晶は、千石で購入したKDS製の10個250円のものなのだが、既にハンダ付けしてしまった1個以外の9個を全て試したところ、いくつかが正常に動くのである。さらに調査を進めると、水晶の脇を固めるセラミックコンデンサを15pFにした場合、5つは動き、4つ動かずで、51pFにした場合、3つは動き、7つ動かずで、100pFにした場合、9つとも動かないことがわかった。51pFで動いた3つは、すべて15pFでも動いたことからすると、良くも悪くも水晶の品質がバラついており、セラコンの容量を下げると、水晶が動きやすくなるっぽい。試しに同型の別のPICを用いて試したところ、結果はまったく同じ。完全に水晶側の品質のバラつきである。処分品10個250円たって半分が動かなきゃ安くねーじゃんよ。推定有罪。
調子に乗って、秋月で購入した32.768kHzの水晶を試す。すると、15pF, 51pFだと3つとも動くのに、100pFだと3つとも動かない。ここでもセラコンの容量が下がると動く傾向が見てとれる。んじゃ、PICのマニュアルにある68〜100pFという推奨値はなんなんだよ。手元の12個の水晶は100pFでは1個も動かなかったぜ。がるるるる。
上記の水晶の負荷容量から脇のコンデンサC1, C2の容量を求める方法の式「CL = C1 / 2 + Cz」に従って、千石の水晶の負荷容量12.5pFから適正なC1, C2を計算してみると「12.5 = 15 / 2 + 5」となり、確かに15pFが適正値となる。それでも、9つのうち半分が動かないっつーのは説明がつかんな。68〜100pFという推奨値とはかけ離れとるし、いったいどーなっとるんじゃ。