SVX日記
2004-09-23(Thu) イルカと泳ぐのである
それから1時間ほどすると御蔵島である。しかしこの御蔵島、現在の世にあって「条件付」という出航スタイルがとられている。というのも、防波堤がないのである。つまり、島からは桟橋がピョンと出ているだけで、そこは外洋に面しているため、海が荒れると船は「通過」なのである。そのため運行側は「条件付」という逃げを打っていて「着かない場合、金返すから、ゴメンすれ」ということになっているのである。幸い、今回は非常に海は穏やかなので無事到着することができた。
で、島に着いたら旅館に行って、休憩……といきたいところなのであるが、なにせ現在の時刻は6時過ぎである。チェックインの時刻までは遠い道のりである。それよりなにより、御蔵島といえばイルカと泳ぐものと相場が決まっているため、気がつくと似合わないウェットスーツを着込んでいる。
で、小さなイルカ見物船に乗ってイルカと泳ぎに行くのであった。実はこのイベントには「ドルフィンスイム」とかいうコジャレた名前がついているのだが、一体ナニをするものか。イルカと泳ぐというと思わず「背中に乗ってゴーゴー」とか「手を回すとイルカがクルクル」とか想像するが、そんなものではない。いかにイルカがフレンドリーといえども、野生のイルカにそこまで求めるのは酷である。実態は、船長がイルカを発見するとともに船のエンジンを全開、数匹のイルカの群れの進行方向の前方50m程に回りこみ「ソレッ、飛び込めッ!!」という掛け声をかける。すると乗船している客は一斉に飛び込み船前方に向かっていき、前から来るイルカとすれ違う。数分で再び船長の「戻れ〜」という掛け声とともに船の上に戻り、再びイルカ探しから繰り返すのである。