SVX日記
2024-02-19(Mon) オマエラが観たかったのはコ、レ!
公開されてからしばらくして、突然に観たくなってきて「SEED FREEDOM」を観てきた。結論からいうと面白かった。大満足。以下、失礼な言い方を多数しているが、ほぼポジティブな意味で書いている。まさに「こういうのでいいんだよ」という映画だった。ホント、面白いって、なんだろう?
振り返ればSEEDはDESTINYの途中くらいから、サカノボる形でハマったのだが、十分に楽しんだ反面、DESTINYでは、終盤で主人公を「戻す」という展開があり、どうもそれがネットの評判に影響を受けた結果のように感じて、なんだか安っぽいなぁ、というのが最後に残った印象であった。なので、しばらくして劇場化を計画中という話を聞いた時は、あんなグダグダの続きをどうしたいってんだ、と醒めていた。
で、観た。せっかくなので4DXで観た。これまで4DXで観て損したと感じたことはないし、今回のモーションもバッチリであった。いや、肝心の映画の内容は安っぽい。20年前から、まったく進歩していない。登場人物は、パイロットであり政治家でありガキンチョだ。主にスキだのキライだので行動する。不殺というテーマらしいが、そんなのまったく感じさせないし、どうでもいい。でもそれでいい。もう、調味料をコレでもかコレでもかとブッかけすぎたトリプルチーズバーガーである。足せば足すほどウマいに違いないと思ってる。全部入りが正義だと思ってる。「面白ければなんでもいーんだよー」と思ってる。
変に作家性を出さずに、同窓会に徹したのは、なかなかの選択ではないかと思う。目新しいテーマを立てたかっただろうし、新型モビルスーツを活躍させたかっただろうし、新曲を流したかっただろう、と思う。でもそこは、特段に妙なテーマを押し付けるわけでもなく、新型、新曲は序盤に片付けwて、クライマックスでは「いつもの」ですよ。「ストライクフリーダム」と「Meteor-ミーティア」ですよ。「オマエラが観たかったのはコレ」だろ、と。そうなんだよ「オレタチが観たかったのはソレ」なんだ、と。
そういう意味では「トップガン マーヴェリック」にも似ているが、アッチはそれなりに時間の経過を感じさせているよね。コッチは、相変わらず「僕たちは何も守れてない」とか言って主人公がスネちゃうからね。成長していないにもホドがある。まぁ、劇中の時間では2年だからそれで妥当なのかもしれんが。
こういう同窓会的な作り方をすると、次作が作りにくい気もするが、また10年後くらいにヒョコっと作る分にはいいかもしれない。DESTINYで「グフ」「ドム」まで、FREEDOMで「ギャン」「ズゴック」「ゲルググ」まで使ったから、まだ「ビグザム」「ジオング」あたりは残っているしなw。こういう過去ネタ頼りも、DESTINYの頃にはアザトさを感じたが、もう芸風として許せちゃう。ナイスバカ。あー、もう一回みたい。小ネタを全部回収したい。
観終わって、深夜、雨の止んだ季節外れの暖かさの中を、オープンにしたロードスターでチンタラと帰りつつ振り返る。ロードスターも二番煎じな企画から始まって、代を重ねても「楽しければなんでもいーんだよー」だけで、ある意味、進歩させずに来たクルマなんだよな、と。なんだかシアワセを感じるな。
自分は、以前エヴァのラストは新鮮味がないのがイマイチな原因だと書いたが、逆だったのかもしれないな。観たかったのが「いつもの」じゃなかったのが原因だったのかも。きっと「こういうのでいいんだよ」っていう感じのが観たかったんだ。