SVX日記
2006-04-04(Tue) ワンダーボーイVIモンスターワールドIV
先日、アドバンスド大戦略を始め、そのあまりに激しい時間消費に驚いてアワてて中断したが、メガドライブのゲームといえば、今でも鮮烈な印象が心の底に焼き付いているのが「モンスターワールドIV(以下、MWIV)」である。
このゲームはスゴい。なんと表現したらいいのか、なにしろバランスが見事である。世界の統一感、ストーリー、操作感、難易度、斬新さなど、ゲームに必要なすべての要素を高次に兼ね備えている……で、なんといってもキャラクタが最高なのである。主人公が女の子。これがもう、かわいいったらないのだ。左右へ歩く、走る、ジャンプする、剣を振る、泳ぐ、水に流される、アイテムを入手する、ダメージを受ける、落っこちる、感電する、泣く……ものすごいパターン数で、そのすべてが、強烈にかわいらしい。他のゲームとはちょっと違う大げさなポーズが、またズルいほどにうまいったらないんだコレが。
で、もう一人の主人公。主人公の相棒キャラであるペペログゥ。丸っこい猫のような、空をフワフワと飛ぶ不思議な生き物だが、口笛を吹くと飛んできて主人公の頭に載る。コイツをうまく利用して各ワールドを進んでいくのだが、なにしろペペログゥとはありとあらゆる場面で、それこそ様々な方法で、共に助け合いながら進んでいかなければならないようになっている。だから、ペペログゥには愛着が湧くなんてものじゃない。かつてこれほどまでに「友」を感じさせるNPCがいただろうか?
基本的には4つの世界+αを順にクリアする、乱暴に言えば「スーパーマリオ」なのだが、そこに「ストーリー」が加わっているのがスゴい。このストーリーも決してバックグラウンドを盛り上げる道具としてだけでなく、ゲーム自体(アクション要素)に関わってくるというのが面白い。
以前に「風のクロノア」というゲームを遊んだ時、ふとこのゲームの存在を思い出した。クロノアもかなりの好ゲームだが、個人的にはコッチのが上だと思う。もしかすると、MWIVを意識していたんじゃないかとも思える。クロノアも「友」と「ストーリー」という要素を併せ持っているからだ。ただし、それがゲームの内容に干渉してはこないので、そういう意味ではMWIVのが上だ。
ちなみに、このゲームはSEGAがメガドライブ用に出したモノだが、元はWESTONEという会社の手によるモノだ。ワンダーボーイシリーズの製作はすべてこのWESTONE。よって過去、PCエンジン用にビックリマンワールドなどというモンスターワールドのコピーのようなゲームが存在するのも、WESTONEがライセンシー企業だからで、別に不思議なことではない。
オイラは元祖モンスターワールドもかなり好きで、それもかなりハイレベルな出来であったから、勝手にWESTONEは海外のスーパーゲームデザイナー集団かと思い込んでいたが、先日ググッてみたところ、フツーの日本の企業だった。
しかし、よく見ると1989WESTONE、1994SEGAというタイトルクレジットはなんなんだ? 1989といえば、元祖MONSTER WORLDの2年後ではないか。どーしてこんな名作を5年間も寝かせていたんだろう? オマケにWESTONEは、MWIV以降はシリーズを作っていないとのコト。あーもったいない!! せめて本作をSEGA AGESとかでリメイク……いや、いやいやッ!! やっぱりそれは絶対にヤメていただきたいかな。やっぱり……ね。
このゲーム、エミュレーション以外でも、セガゲーム本舗で合法的に遊ぶことができる。遊んだことのない人は、ゼヒひとつ遊んでみていただきたい。上質のスコッチのようなゲームである。できれば駆け足で遊ぶのでなく、ゆっくりと丁寧に、アーシャちゃんとペペログゥの一挙手一投足を楽しみながら、トコトンまで味わっていただければと思う。
アーシャちゃん&ペペログゥのキャラデザインをされた方のページ発見!!<br>http://www.linkclub.or.jp/~ohzora/index.html