SVX日記

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2004-07-20(Tue) DC-DC電源回路製作開始

  6月20日、秋葉でEdenマザーなど、車載PCのパーツを購入してしまい、抜き差しならない状態になってから、今日でちょうど1ヶ月である。最初はあまり本気ではなかったのだが、製作は快調に続き、現在は完成間近である。こういう工作って、自分の能力を十分に引き出して、いろいろ工夫して、そこそこ苦労して、やっと完成するというのがもっとも楽しいんだよな。

  以前、セガマーク3用のスポーツトラックボールというコントローラをジャンクで購入し、そこそこ苦労してX68000につないだことがあった。当時は電子工作の知識なんかロクになかったので、トラックボールの中の光学ロータリーエンコーダと、X68000のマウスの中の接点ロータリーエンコーダを見比べて、トライアンドエラーした覚えがある。あれはホントに楽しかった。完成後サイバリオンが存分にプレイできたのも楽しかったが、やっぱり作っている作業の方が何倍も楽しかった。故祝一平氏の「改造は改造する楽しみのために行うべきである」という言葉が思い出される。もうすぐその作業も終わるかと思うと、ちょっと寂しい気もする。んが、寂しがるにはまず完成させなくてはならない。今日からDC-DCコンバータ回路の製作に取りかかるのである。

  車の電源というものは12Vとされている。が、これはタテマエで、実際には12Vで安定していることはありえない。エンジン停止時で13V、エンジンがかかると14V、セルが回っている最中は8Vに落ちたり、なにしろ非常に不安定な電源なのである。

  であるから、12VのACアダプタ仕様のPCケース(=PC電源)だからといって、車の12Vを直接供給するのは非常によろしくない。ACアダプタ仕様のPCケースには、大抵内部にDC-DCコンバータがあり、12Vから5Vや3.3Vを作り出しているのだが、電気というのは電圧を下げるのは比較的簡単だが、上げるのは大変なので、大抵のACアダプタ仕様のPCケースは、ACアダプタからの入力の12Vを直接用いているのである。最近のACアダプタはスイッチング式で、以前のトランス式と異なり、非常に安定した電圧供給を行うので、PC側もそれを期待した作りになっているというのもある。よって、車の12Vをキレイな12Vに変換する必要があり、それが今日から製作を開始するDC-DCコンバータである。

  DC-DCコンバータの定番は3端子レギュレータというもの。今回は1.25Vから15Vまで出力電圧を可変できる、LT1084CTを利用する。この石は13V程度の入力があればキレイな12Vを出力してくれる便利な石だ。そのため小さい割に1,410円とお値段も張るので、扱いには注意である。まずは部品集め。不安定な電圧の安定にはデカいコンデンサということで、入力側に2200uF、出力側に1000uFの電解コンデンサを配置である。

  画像の説明

  ちなみにこの3端子レギュレータというヤツ、入力側から出力側へ電圧を切り落として供給してくれるのだが、切り落とした電気は全て熱として放出される。切り落とす電気の量は電圧差×電流ということで、電流が多く流れるとそれだけ高熱が出るという運命がある。世のCPUと同じく熱が多すぎれば自爆するので、ヒートシンクをつけてやらねばならない。で、ヒートシンクの近くに風の流れがあればより効率的なので、ファンを近くに設置するとよく、ファンといえばPCケースのファンを流用すると便利なわけで、ケース内のファンの近くに電源基板を配置することにする。ここに配置してくれといわんばかりの空きスペースもある。

  画像の説明

  ただ、このLT1084CTという石、ヒートシンク取り付け用のタブの部分が金属となっており、しかもそれが出力端子を兼ねている点に注意である。ヒートシンクがPCケースに接触するとショートすることになるからだ。3端子レギュレータもいろいろあり、タブの部分が樹脂で絶縁されたものや、金属だがグランドと兼ねているものもあるが、なんでこれはよりによって出力端子なのだろうか? 絶縁すると熱の流れも悪くなるので今回は「厳重注意」という対策とする。

  と、それはともかく、ケースの内部に電源を配置したら、どうやってケースの外側にある電源ジャックに給電するのか。内部の電源ラインに割り込ます? すると元のACアダプタが利用できなくなってしまい、たまにPC本体を家に持って帰ってメンテすることが難しくなる。それ以前に、車側の給電コネクタをACプラグに付け替えるのはあまりしたくはない。しばし悩んだが、ケースに2つの穴を開け、入力用と出力用のケーブルを用意することにした。出力用のケーブルはケースの穴から出て、自身の電源ジャックに刺さることになる。まぁ、最終的にはまだ流動的だが、とりあえずその方向ということで。

  概ね作戦が決まったところで、回路図を書く。といっても私の場合、回路図は紙の上にラフに書くだけで済ませ、回路図CADで実体配線図を書き始めてしまう。当然、回路図CADの本来の使い方ではないが、私にはこのやり方が合っているようだ。しかし、この実体配線図の部品配置と配線をあーでもないこーでもないと煮詰めていくのは、これまた楽しい。一応、ポリシーとして部品面にはジャンパがないように、配線面には交差がないようにと、勝手に決めているのでそれに従う。完成したのが以下の図である。

  画像の説明

  ヒートシンクの配置場所を考えつつ、巨大な電解コンデンサを配置した結果である。一応、熱に弱い電解コンデンサということで、熱を持つヒートシンクからは極力離してある。まぁ、パンクしても安いのでサッサと交換すれば済むのだが。

  さて、明日は実際に部品のハンダ付けを始める予定である。