SVX日記

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2021-12-25(Sat) スプリングコンプレッして、サスペンションをバラす

  しばらく前にNDロードスター用の純正サスペンション一式を購入したのだが、その後、更にもう一式を購入していたのであった。

  というのも、最初に買った一式は「アッパーマウント付き、走行10000km、ダンパー前N243-34-700B、後N243-28-70XB、スプリング前ピンクと赤、後ピンクと黄」というもの。だいぶ値が張ったものの、実際にかなりの美品なのでそれはいいとして、AT車から外したものということで、どうやらスプリングがSグレードのものとは違うようなのである。

  そうなのである。実はNR-Aなどというモータースポーツベース車のグレードを自ら選んでおきながら、足が一番ヤワらかいというSグレードの純正サスペンションに交換することが、今回の目的なのである。

  思い返せば、10月末に契約してから、納車までの一日千秋を紛らわすため、12月初旬に購入した書籍「スピリット・オブ・ロードスター」を読んでいた時のこと。「Sグレードは、低い速度域でも大きく姿勢変化するように仕立てられていて荷重移動を楽しめる、単純な廉価グレードではない」などという記述を見つけたのである。逆に言うと、NR-Aはサーキット用であるから、高い速度域にチューニングされていて、低い速度域ではまったく姿勢変化しないらしい。そんな深い意味があるなら先に言ってくれよ。ビルシュタインとか言われたら、どうしたって見栄で選んでしまうではないか。

  まぁ、NR-Aの、Sグレード以上に簡素な内装も、シルバーなホイールも、むしろお気に入りなので、後悔まではしていないのだが、いつかサスペンションがクタビレたらSグレードのサスペンションに入れ替えたいな、と常々思っていたのであった。いうなればNR-S化である。ちなみに、リアのスタビライザは2020年の6月にディーラーで外してもらっている。あまり差はわからなかったが。

  ネットで調べると、Sグレードのショック・アブソーバは、前N243-34-700B、後N243-28-70XBと、購入したものと同じらしいのであるが、スプリングは前が緑と赤、後が白と黄であるという情報が見つかった。せっかくなら、スプリングもSグレードに合わせたいが、オークションサイトを見て回っても「緑と赤」なんて組み合わせの色のスプリングは見つからな……あ、いや、あるじゃん!……ということで、更にもう一式を購入したのであった。「アッパーマウント無し、走行距離不明、ショック・アブソーバ前N243-34-700B、後N243-28-70XB、スプリング前緑と赤、後白と黄」で送料込みで2000円チョイ。完全に捨て値である。走行距離不明なのが難点ではあるが、ショック・アブソーバはともかく、スプリングは基本的に劣化しないらしいので、組み替えれば完璧なサスペンションが仕上がるという寸法である。

  人生でサスペンションを組み替えることがあるとは思わなかったが、そこは整備書まで購入しているのであるから、熟読して、自分で組み替えて、交換までする予定である。いやなに、ここしばらく「名車再生!クラシックカー・ディーラーズ」を視聴していて影響されているというのもあるのだが。

  とはいえ、武器は必要だ。少なくとも、スプリングコンプレッサが必要なので購入しなくてはならない。レンチは30年近く前に購入したコンビネーションレンチセット(8, 10, 12, 13, 14, 17mm)がある。鏡面仕上げの美品で、調べるとダイヤ精工のTOUGHシリーズらしい。ラチェットレンチはあるにはあるが、安物なのでこれは新調したい。高級品を買いたいが、そんなに高頻度では使わないので、ソコソコの物を。悩みに悩んでSK11のソケットレンチセットをチョイス。

  問題は作業場所である。自室は書斎、兼、工房で半土間なのであるが、自分は片付けができない人なので、土間がゴミで埋まっているのだ……年末だし、一念発起して片付けるか! ……ということで、午前中いっぱい使って土間を片付けて磨き上げた。あー、疲れた。

  画像の説明

  しかし、小休止したら、すぐに、スプリングの圧縮開始である。スプリングコンプレッサというものを、初めて使うが、まぁ、想像通りであった。スプリングにキズが付かないように、革の端切れを挟む加工を加えたら、ラチェットでゴリゴリとスプリングを圧縮していく。程なくして、スプリングがガタつきはじめる。思ったよりは、そう大変ということもない作業であった。

  問題は、サスペンションの最上部のナットである。とてもではないが、手では回らない。整備書によれば、締め付けトルクは「27-32Nm」とあるが、そんなもんじゃない感じの締め付け具合である。結局、サスペンションを横に倒して足で踏んで、メガネを掛けて、反対側をハンマで叩くことでようやく緩めた。だいぶハードに叩く必要があったので、ちょっと怖いくらいであった。

  とりあえず、それが外れたら一段落である。串焼きのようにパーツが外れる。一応、向きや順番や組み合わせを保持するために、紐で括る。それを4回繰り返して、全てのサスペンションをバラし終えた。

  画像の説明

  こうなれば、あとは、Sグレードのスプリングと組み合わせてサスペンションを組み立て、実車のサスペンションと入れ替えるだけである。なんだか楽しくなってきて、フロントのサスペンション一式と一緒に風呂に入り、(カー)シャンプーしてあげて、ナメられるくらいピカピカに磨き上げてしまった。うふふふふ。