SVX日記
2005-08-24(Wed) インプルーブ!! ボタン式信号機!!
押しボタン式信号機というものがある。大抵は、歩行者の交通量が非常に少ない場所か、特に交通弱者の多く通る場所、小学校近くとかに設置してあることが多い。一般に、ボタンを押した一定時間後に、信号が一定時間の間だけ青信号に変化し、その間に歩行者は道路を渡ることになる。
しかし、しかしだッ!! その際に微妙な空気が流れることに気づいていたか? 歩行者がボタンを押したコトにより、赤信号に遭遇し、停車を余儀なくされたドライバーと、その目の前をチンタラと渡る歩行者との間に、である。歩行者が一度に大量に渡るなら、まぁ、納得して我慢もできよう。しかし、歩行者がひとりしかおらず、その歩行者が渡りきった後、意味もなく青信号に変わるのを待つドライバは、少しイライラするのである。しかも、非常に自動車の交通量の少ない道路で自分の車だけが待たされているときは、かなりイライラするのである。
この押しボタン式信号、アメリカにも存在する。実際、オイラは、グアム、ロサンゼルスで押しボタンを押して信号を変え、道路を渡ったことがある。しかし、この押しボタン式信号、日本の押しボタン信号と概念が少し異なる。というのも、日本の押しボタン信号が「比較的早期に青、10数秒は青、青点滅、赤」というサイクルなのに対し、アメリカの押しボタン信号は「かなり待たされて青点滅、赤」というサイクルなのである。つまり、かなりセッカチなセッティングの信号なのである。
ここに効率と合理性を重んじる、アメリカ人の国民性ともいえる思想がノゾこう。そうなのである、車を長時間停車させること、さらに言えば、車が一時的に停車をすることは、エネルギー効率からして非常に非効率なことなのである。
歩行者は停止したところで、再び歩き出すことに必要なエネルギーは小さい。また、時間あたりの移動速度も小さいので、比較的長時間の停止を強制したところで、目的地への到達時間は大きく変化しない。しかしながら、自動車はそうではない。ストップアンドゴーに要するエネルギーは非常に大きく、停車に対する目的地への到達時間の影響度も大きい。つまり、エコロジーでないことおびただしいのである。日本の警察のエコロジーに対する取り組みはこんなものでよいのか? このガソリンのクソ高い時代に、少しでも税収を増そうという日本国政府の陰謀か? なんにせよ、ひとついえることは、高速で流れているものは、止めるな、というコトなのである。
ちょっと脱線したが、歩行者の視点から考えてみても、押しボタン信号が青に変わっている時間はものの数秒でコト足りる。歩行者は、押しボタンを押してから、横断歩道の直前でクラウチングスタート体勢に入っているのだ(少なくとも気持ち的には)。青になった瞬間から、道路幅を移動する時間があれば、それでいいのである。そうすれば、ドライバー側も、ひとりの歩行者が渡りきった後、意味もなく青信号に変わるのを待つ時間がゼロに近づき、イライラも減ろうというものだ。アメリカ人はこの辺をよくわかっているのであろう。それが、歩行者用信号が青に変わらず、いきなり青点滅に変化する理由なのである。
ここまで書くと、良識的な人は「効率ばっかりを重視するな!! 子供や老人などの交通弱者が道路を渡りきる時間をどう考えているんだ!! 少なくとも、一般の人より長い時間、青である必要があるじゃないか!!」などと吼えるかもしれない。なるほど、なるほど、それもそうだ。では、どうするのよいのか?
そこでオイラは提案しよう。なにも、押しボタンが一個である必要はないのだ。実際、老人用の押しボタンを設けている場所もある。一般人用の「青にすぐ変わり、すぐ戻る」タイプのボタンと、ヒマ人……失礼、子供や老人用の「青に変わるまで時間がかかるが、青の時間が長い」タイプのボタンを、両方とも設置すればよいのである。ついでだから、設置する高さも少し考えて、子供、老人用のボタンを0.8mの高さに、一般人用のボタンを1.6mの高さに設置しよう。そうすれば、適切な運用も行われやすいであろう。どうだ?