SVX日記
2004-11-19(Fri) 徳利でとっくりと
オイラは日本酒も呑む。オイラは酒に対してコダわるところとコダわらないところがハッキリしていて、日本酒に関してはまったくコダわらない部類に入る。ビールならギネスが好きだが、ギネス以外なら別に発泡酒でもなんでも構わない。ウィスキーはスコッチ以外は呑まない……こともないな、あきらめて酒自体は楽しまずに呑むな。まぁ、それはいいとして。
実は、社会人(-α)時代に冷酒を呑んでヒドい目にあった経験があり、燗酒しか手が出せなくなっているのもその原因である。イイ日本酒は冷して呑まなければならないが、冷酒はいい気になって呑むと後でゲロゲロになる。燗酒しか呑めないとなると、イイ酒を呑む資格がない。そういう理由である。
なんとなく最近は「辛口端麗」というタイプが好みかな、という感じに落ち着いてきているが、なんといっても発見だったのは「とっくりの効能」である。燗酒はなぜとっくりで呑むのか。オイラはしばらくわからなかった。
まずは呑み会での「注ぎつ注がれつ」というのがあまり好きではなかったというバックグラウンドがある。だって、面倒くさいじゃん。まぁ、自分で注いで呑むというのがなんとなくサミしい気がするのも理解できるのだが、ビールグラスならともかく、自分が猪口なんかで呑んでいたりすると、あまりに頻繁になるので相手に悪い気がしてくるのだな。だから、おいらは昔からとっくりが出てくるとビールグラスにブチあけて呑んでいた。俗にいうコップ酒というヤツである。「お、コップ酒とはやりますなぁ」なんて言われたこともあったが、理由は上記のとおり。別にカッコつけていたわけではないのである。おまけに、家で呑むときは雰囲気を出すために「ワンカップ大関」のガラス容器に注いでレンジで温めて呑んでいた。それはそれでしばらくはそうやって呑んでいたのだが、あるときに家に蕎麦徳利(ザルソバ食うときにソバツユを入れるやつ)がやってきて、シャレでそれで呑んで驚いた。
あったりまえの話であるが、それで初めて気がついた。そーなのである。あれだけ口が絞ってあるだけで、冷めないの何の、ものすごい保温効果があるのである。いやぁ、とっくりなんぞ、中が洗えない不便な食器だと思っていたのだが、実はそんな効能があったのだな。猪口の小ささも、熱い酒を一口分ずつサービスするための意味が込められていたのだな。実感してわかったよ。確かに素晴らしい文化である。
それからオイラの徳利&猪口探しの旅が始まったのである。そりゃ徳利や猪口など、どこのデパートでも売っている。だが、こういうアイテムは一組手に入れたらもう買うことができない(そう何個も持っているのもヘンだろ?)。気に入ったものが現れるまで買うのを控え、数年間を蕎麦徳利でガマンしたのである。