SVX日記

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2005-09-27(Tue) 敗れたり!! iPod!!

  いきなりだが、iPodはダサい!! どーしよーもなく、ダサい!! 初代の発売当初、みんな、なんであんなモノを欲しがるのか、オイラにはサッパリわからなかった。一体ドコがダサいというのか? デザイン? いや。デザインなんて、エンジニアとしてのオイラの目には止まらない。ユーザインターフェイス? そんなもの、使ってみなくちゃわかるハズがない。じゃ、なんだ? それでは、否定させてもらおう。そのプロダクトそのものを。HDDやらフラッシュメモリやら、そういった記憶容量が有限の媒体を持ち歩くという考え方がダサいのである。いかに大容量といえど、有限は有限である。あー、有限ほどダサいものはない。あぁ、ダサい、ダセぇ、ダサすぎるゼ、アップル!!

  まぁしかし、正直いうと、iPod-SHUFFLEの頃から、ちょっと欲しくなっていた。iPod-nanoが出て、さらにちょっと欲しくなっていた。有限でも、まぁイイかと。胸のポケットに入れて、気にならない重量なら許してやらなくもないかと。しかしッ!! 今日の夕方、欲しくなくなったのだッ!! 未来が見えてしまったからである。オイラがずっと夢みていた未来の切れ端が、ある携帯電話の新製品の発表のニュースの行間に、確かにノゾいてしまったからであるッ!!

  それは、俗に言う「京ぽん2」を筆頭とする、WILLCOMの新型携帯電話、4機種の発表のニュースである。恐ろしいことに、x4パケット対応の携帯が含まれていたのだ。しかも、時を同じくしてx4パケットの定額プランまで発表されてしまったのだ。x4パケットといえば、32kbpsの4倍を意味する。つまり128kbps。128kbpsといえば、ひと昔前のmp3ファイルのビットレートなのである。そうッ!! そうなのだッ!! つまりストリーミング方式により、途切れなく音楽再生ができるというビットレートなのであるッ!!

  そりゃ、わかっている。128kbpsは回線の帯域幅であって、常にその速度が出るとは限らないってことくらい。しかし、現在の段階で、例えば実質64kbpsであったとしてもだ。音楽をストリーミングするのに、まるで使えない速度とは言えないだろう。64kbpsでも、ある程度の音質は確保できるハズである。よって、いまこの瞬間に「容量が有限」というマコトにダサい弱点を持つiPodは過去の遺物になり果てるのである。ん? スマートシンク? なんすかそれ? あ、楽曲を転送するのがラクってこと? フーン……でも、なんで楽曲を転送する必要があるの?

  オイラは32kbpsの定額プランが発表されたときから、ネットワーク越しにストリーミング方式で音楽を聞くコトが、いつかできるものと考えていた。だから、iPodがダサく感じたのである。そりゃHDDを搭載すりゃ、新技術なんてナシで「巨大」な携帯音楽プレイヤが作れるだろうよ。でも、そんなこたぁ、当たり前のコンコンチキなのである。32kbpsの定額プランがココまで来ているのに、いまさらそんなチカラ技を繰り出すの? オイラは、初代iPodの発表時に、そう感じたのである。いうなれば、ジョブズはタマゴのケツを割ってタマゴを立てただけなのである。誰もやらなかったコトを始めただけ。そこに工夫も何もないのだ。まぁ、それをスゴくない、とまではいわないけれども。

  そして、今回の「京ぽん2」だ。かなりのトコロまで来てしまっている。フツーにmp3ファイルが再生できるのだ。確かにストリーミング再生には対応していないっぽいが、そんなモン「作ろうと思えば作れる」のは、間違いないのである。端末のハードウェアも、通信インフラも、料金プランも「リアルタイムに音楽が飛んでくる」を実現するトコロまで来てしまっているのである。「実現する寸前」ではないぞ、実現するトコロまで来ているのである。

  ストリーミング再生を行うアプリがなくても、手動で似たようなコトはできるだろう。自宅に常時接続されているWebサーバを置き、そこにたんまりとmp3を充填し、外から聴きたくなった楽曲をダウンロードできるようにしてしまえばイイのである。楽曲を再生しながらダウンロードできるかどうかは不明だが、それができるのであれば、乱暴ながら「遅延は少々大きい(5分とか)ながらストリーミングを実現した」と言い切ってみたい(?)。

  そして、もう一歩、先に進もう。SONYというオーディオメーカの作ったウォークマンを倒したのは、APPLEというコンピュータメーカの作ったiPodだった。そして、APPLEというコンピュータメーカの作ったiPodを倒すのは、WILLCOMという通信会社の作った端末なのである。冗談でなく、やろうと思えばマジでイケるぞ。ミュージックストアを開いてしまえばイイのだ。いや、ストアなんてケチな概念は捨てよう。「WILLCOMポケットジューク」なんてサービス名はどうだろう? この方法の強みは、やはり回線インフラを武器に、強烈な囲いこみができるコトであろう。iTuneMusicStoreなんて、所詮「iPodがたくさん売れただけ」が繁盛の理由である。そう簡単にiPodを超えるアイテムが出るとも思えないが、強みといってもその程度のモノである。

  一方で「WILLCOMポケットジューク」の場合、WILLCOM以外には「絶対にできない」という強みがある。他のキャリアとの通信コストの差が、アキれるほどに開いてしまっているからである。また、ストリーミング方式での楽曲の提供は、楽曲の違法な流通を異様なほど恐れている強欲なレコード会社との契約にも有利だろう。端末での認証によるストリーミング方式での楽曲流通に限定してしまえば、ユーザに音楽を保管させずして楽曲を聴かせるコトができるからだ。もちろん、iTuneMusicStoreを「迅速に駆逐」するためには、端末での購入した楽曲をストリーミングで聴かせるだけでなく、PCからログインした際にはもっとちゃんとしたビットレートの楽曲ファイルのダウンロードやCDの焼き付け……早い話、iTuneMusicStoreと同等のサービスを提供してやる必要があると思うが。

  というわけで、やっとこさ「iPod付き携帯」などといいつつ、音楽機能と通信機能がまったく連携していないという、ドッチーモみたいなスットコドッコイなガジェットをアップルが出しているスキに、WILLCOMは完全なる「音楽駆動体」を出してしまうのだ!! 出せー!! やれー!! いけー!!