SVX日記
2022-09-10(Sat) 結局、効果音生成ツールを自作する
先日、ノイズを生成できるようになってから、効果音生成プログラムに組み込んでアレコレしていたのだが、アレコレしているうち、効果音とは、基本となる波形に様々な変化を繰り返し重ねていくことによって生成するものだということがわかってきた。
考えれば考えるほどわからなくなり、コードを書いては試し、何度も書き直した。コードの追加ではなく、こんなに何度も、構造ごと変えては、頭から書き直したのは初めてだ。変調を追求していくうちに、FM音源に行き当たり、周波数変調、位相変調、YM2151(OPM)の仕組みにまで踏み込んでしまい、オペレータのコネクションを再現するために、RPNっぽい手法まで実装することになった。
最終的には、以下のような記述で音を作る。以下は、soxのサンプルにあるパイプオルガンによるAm7を再現するもの。typeで正弦波(sine)を指定、freqで周波数(A3, C4, E4, G4)を指定、envでエンベロープ(音量変化)を指定。最後にそれらをRPN記法で重ねていく。
 @length = 1
 
 car1 = it = {}
 it[:device] = 'generate'
 it[:length] = @length
 it[:type] = 'sine'
 it[:freq] = <<FREQ
 #+BC+D+EF+G+A+BC+D+EF+G+A+BC+D+EF+G+A+BC+D+EF+G+A+BC+D+EF+G+A+BC+D+EF+G+A+BC+D+EF+G+A+BC+D+EF+G+A
 #--1----(55)1--2---(110)2--3---(220)3--4---(440)4--5---(880)5--6--(1760)6--7--(3520)7--8--(7040)8
 ..................................../
 FREQ
 it[:amp] = <<AMP
 #--------------25--------------50--------------75-------------100
 ................/
 AMP
 
 car2 = it = {}
 <略、C4 の正弦波>
 
 car3 = it = {}
 <略、E4 の正弦波>
 
 car4 = it = {}
 <略、G4 の正弦波>
 
 add = it = {}
 it[:device] = 'add'
 
 env1 = it = {}
 it[:device] = 'env'
 it[:length] = @length
 it[:amp] = <<AMP
 #--------------25--------------50--------------75-------------100
 /
 ................................................................/
 ................................................................/
 ................................................................/
 ................................................................/
 ................................................................/
 /
 AMP
 
 @connection = [ car1, car2, add, car3, add, car4, add, env1 ]これでwavファイルが生成される<聴いてみる>。
もちろん、加算はもっとも基本的な演算で、真骨頂は変調である。インベーダのUFOの音っぽいの<聴いてみる>とか、パックマンのモンスタの音っぽいの<聴いてみる>とか、R-TYPEのショット音っぽいの<聴いてみる>とか、ダライアスのレーザ音っぽいの<聴いてみる>とか、割と直感的な記述により生成することができる。
今回、FM音源のことを調べていて、ものすごく少ないパラメータ(バイト数)で音色が作れることが、当時のPCの性能事情に即していたこと。反面、音色作りがものすごく難しかったことを、改めて知った。実際、自分もX1のFM音源をアレコレしていたが、ちっともイメージしたような音色が作れなかった。
コードと定義ファイル一式を置いておく。
