SVX日記

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2021-07-24(Sat) 日本が誇るゲーム文化 in 東京オリンピック……?

  決して批判ではないのだが。

  東京オリンピックの開会式、選手入場時のBGMにゲームミュージックが起用されている、ということで、慌ててググると、なんと曲目にグラディウスが入っている。

  >「01 ACT I-1」グラディウス(Nemesis)

  しかし、聞いたことのない曲目だな……空中戦の曲? 火山の曲? 確か、それぞれ後づけで「Beginning Of The History」と「Chanllenger 1985」という名前が付けられていた気がするが……でも、聴いてみたい。慌ててテレビを点けてみる。

  自分はアーケード中心で、コンシューマのゲームには疎いし、最近はあまりゲームミュージックを追っていないので、流れている曲を聴いてもピンとこない状況が続く……ん? あ! キタコレ! ん? これは……「GRADIUS II」のタイトルデモの曲だ! おぉ、ピッタリくるな、コレは! しかし、グラディウスじゃなくて、グラディウスIIの曲じゃないか……。

  で、いろいろと疑問が浮かびつつ、いろいろとググり始めると、概ねのネット民の「日本の誇るゲーム文化だ!」などというお祭りムードに反比例するように、気持ちが冷めてくる自分がいたのである。

  まず、この件に対する各作曲者のツイートだ。「GRADIUS II」の古川もとあき氏を含め「聴いてたら、自分の曲が流れてきた!」などと「知らなかった」という雰囲気のツイートが続出している。これ、ゲームミュージックでなく歌謡曲だったら、作曲者が知らないところで、国際的イベントに曲が使われるなんてありえないことではないのか?

  それと「01 ACT I-1」の意味が判明した。グラディウス系の音楽をクラシックアレンジしたアルバムに「Gradius in Classic I/II」というものがあり、その1枚目の中の先頭の曲目が「ACT I-1」であった。そういうことかよ……それは曲名じゃねぇだろ。

  画像の説明 画像の説明

  それとは別に「グラディウス(Nemesis)」って何だよ。「NEMESIS」は主に海外版の初代グラディウスのタイトルであって「GRADIUS II」の海外版のタイトルは「VULCAN VENTURE」だ。「Nemesis」なワケがない。完全な誤りである。

  ニュース記事に出てくる曲名のリストは、どこのニュース記事でも同じで、要するに、どこかのニュースソースが出したものをそのまま出しているから、そういうことになってるわけだ。これも、ゲームミュージックでなく映画音楽だったら、題名も曲名も誤っているなんてありえないことではないか?

  昔からゲームミュージックは、利用に関する権利関係がユルいせいか、テレビ番組のBGMに使われる機会が少なくない。そういう流れも加味すると、どうも今回の選曲は「権利処理がラクだし、有名ドコロから何曲か。それと、行進のイメージに合う曲を、このCD群の中から適当に選んどいて」という指向で、それほどゲームミュージックに詳しくない人物によって選曲されたように思えてしまう。それならば、割とマイナー目のゲームからマイナー目の曲が起用されていることにも説明がつく。

  というわけで、始祖である「VIDEO GAME MUSIC」や「KONAMI GAME MUSIC VOL.1」から、VGMを愛してきた自分にとっては「ちょっと愛が足りないんじゃねぇの?」という見方にならざるをえないのであった。「足りないのはちょっと」なので、決して批判ではないのだが。

  きっと作曲者も、表には出さないものの、ちょっとホロ苦い気持ちを噛み潰しているのではないかなぁ。