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 2)鉄塔は電線に触ってない?

 

 「鉄塔が電線に触ってないだって? バカなこといっちゃいけない、触らずにどうして電線を吊っていられるんだ? ん?」

 まぁまぁ、そういわずに落ち着いて最後まで話を聞いて下さい。

 厳密にいうと、鉄塔の腕がつかんでいるのは、先ほど説明した碍子なのです。で、碍子が電線をつかんでいる。だから鉄塔は電線自体に触ってないということになるのです。

 そんなの当然じゃん。そう、当然なんです。でも、そういう人に限って、鉄塔付近で電気がどこを流れているのか、きっと誤解してますよ。試しにちょいと鉄塔の絵を描いてみてくれませんか。適当でいいですよ。でも、電線と碍子には注意して描いて下さいね。

[鉄塔の絵]

 さて、多分、左のような絵が描けていることでしょう。ほーら、間違えてます。

 どこが間違ってるって? 電線が碍子の中を通っているところが間違っています。

 じゃ、正しくはどうなっているか。答えは右の写真を見て下さい。

[垂れた電線の写真]

 電線が碍子の先で下に折れ曲がって、反対側の碍子の先端につながってます。電線が垂れ下がってるでしょ? そうなんです、電気は鉄塔の腕を迂回するように流れているんです。

 なぜ、こんなことになってるか? カンのいい人はもうピンときたでしょう。そう、けっして鉄塔に電気が流れたりすることがないようにしてあるんです。鉄塔はその名の通り鉄でできていてよく電気を流しますから、碍子で絶縁したうえ、少しでも鉄塔から電線を遠ざけてあるんです。ちょっと見だと、碍子の中を電線が通っているように見えますが、そういう構造だと鉄塔に電気が流れてしまいますから、碍子の意味がなくなってしまいます。

 今度、鉄塔をみかけたら、鉄塔の腕の付近をよく観察してみて下さい。なかには、垂れた電線がプラプラしないように工夫してある鉄塔があったりして、興味深いですよ。




 
   
 
 


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