青空を背に、水色の体をピンと伸ばして、仲良く並ぶ兄弟鉄塔。左が長身の兄で、右はガッチリした弟。ふたりで送電線を抱えています。

　いわゆる電柱型という省スペース型鉄塔といえばそれまでなのですが、爽やかな水色をした鉄塔が、兄弟のようにふたり並んでいるのには、微笑ましささえ感じてしまいます。

　近くの鉄塔はすべてこのような水色の電柱型……といいたいところなのですが、通常のトラス型や、白い電柱型などが混在しており、この周辺には例の法則は当てはまらないようです。特に水色の鉄塔はこの兄弟だけで、鉄塔のすぐ手前にある公園に配慮してのことかもしれません。

　面白いものをみつけました。鉄塔のすぐ手前にある公園に配慮してか、説明用のプレートがあったのです。よくある「送電線注意！」の注意書きもありますが、鉄塔に親近感を持ってもらおうという意図が感じられるカワイイ感じのプレートです。兄弟鉄塔とあいまって、ほのぼのした感じを受けますね。

　興味深いのは、この兄弟はこれだけ似ているのに、所属する送電系統が違うことです。兄の所属は「東名古屋瑞穂線」で、弟の所属は「東名古屋日進線」なのです。

　仲のいい兄弟といえど、仕事まで馴れ合ってはいけません！　ということなのでしょうか？　同じ戦線に兄弟を派遣すると兄弟が全員戦死する可能性がある、だから……、私は、なんとなく映画「プライベートライアン」を思い出してしまいました。