|  | 先日私は、秋葉原駅の総武線下りホームで、ふたりの友人と待ち合わせていた。
 ボーっと、滑り込んでは走り去る黄色い列車を見ながら、ふと考える。
 「線路を全部動く歩道にしたらいいんじゃないか?」
 「いや、列車の待ち時間はなくなるが、乗降速度での定速運転では遅すぎる」
 「手前から奥に数条の路面を設定し、奥ほど高速運転すれば?」
 思わず、細かい仕様検討に入ったところに、ちょうど友人が現れた。
 私は、すかさず「動く歩道計画」を提案してみた。すると……
 「そんなん、小学生でも考えるわ。だっせーっ!」
 と、いきなり「名古屋弁」でケナされてしまったがね(T-T)。
 せっかく、このコラムのネタにしようと思ったに、許せんがにゃぁ〜。
 
 しかし、それから1ヶ月も経たないある日、新聞でこんな記事を発見した。
 
 >石川島播磨重工は、乗降部と中間部の速度を変えられる可変速式の動く歩道
 >「アクセルライナー」を開発しました。
 >
 >現在、空港・鉄道駅周辺や地下街などに導入されている動く歩道は、
 >毎分30〜40m一定速度で、一基の長さが50m前後のものが一般的です。
 >これは歩く速度よりも遅いため利用者は歩道の上を歩くケースがほとんどでした。
 >また、1基の長さも短いため長距離の移動には適していませんでした。
 >
 >そこで、利用者を連続的に搬送する高速で快適な交通システムをコンセプトに
 >開発したのが可変速式動く歩道「アクセルライナー」です。
 >
 >本機は、乗降口の下部に設けられた駆動軸にらせん状に溝が切ってあり、
 >パレット(踏み板部)の下部に取り付けたローラが溝に案内されて送られる構造で、
 >溝のピッチを変えることによって加減速を行います。
 >
 >乗降部はこれまでと同じ速度で運転し安全に乗り降りできるようにし、
 >徐々に加速して中間部を乗降部の最高4倍にまで速度を上げることができます。
 >これにより所要時間の大幅な短縮が図れ、動く歩道の長距離化が可能となります。
 
 おっ! これはスゴイ! 「加速する動く歩道」だぞッ!
 この文章からは詳しい原理がよく読めないが、なにしろスゴイ!
 この技術があれば、私の「動く山の手歩道計画」は成就したも同然なのだ。
 この技術を前提とした、私の考える「動く山の手歩道計画」は以下の通り……
 
 ・線路上の動く歩道は、ホーム側の「乗降路」と奥側の「巡航路」との2条構成。
 ・ホーム側の「乗降路」に今回開発された「加速する動く歩道」を採用する。
 ・「乗降路」の速度は2.4km/hr(40m/min.)〜100km/hrまでの加減速とする。
 ・「巡航路」の速度は常に100km/hr巡航。椅子など通常の列車設備を装備。
 
 ……といった具合である。で、この「動く歩道」の利用法は、以下の通りである。
 ・駅のホームから2.4km/hrで動く「乗降路」に乗る。
 ・「乗降路」が加速して100km/hrに達し「巡航路」との速度差がなくなる。
 ・「乗降路」から「巡航路」に移動して椅子に着席する。
 ・降車したい駅が近づいたら「巡航路」から「乗降路」に移動する。
 ・「乗降路」が100km/hrから2.4km/hrに減速したらホームに降りる。
 というわけである。基本的に目的地まで100km/hr巡航! これは速いぞ!
 
 明日はこのシステムの導入による効果を皮算用(^-^;)してみよう。
 |